モジュール2「認知的発達を促す授業方法」での学びの概要
モジュール2「認知的発達を促す授業方法」では,『一人でできることは授業ではやらない』や『パラレルセッション』といった効率を高める授業方法について学習しました。そして、モジュールでの学びを元に自身の科目の授業方法を改善し、下のデジタルバッジを取得しました.以下のデジタルバッジをクリックすると、モジュール2での学びの詳細(クイズの成績等)が確認できます。
このモジュールでの学びを元に作成した授業改善計画
モジュール2:掲示板記入用シート-ShoV2教員からのコメント
有吉さん:
最終課題としての要求事項に即したレポートで、合格と判定します。
以下はそれぞれのアイディアの採否に関するコメントです。
今後の参考にしてください。
1「努力と真剣さを要求する」を「採用する」
「画像解剖学の試験では各セクションで必ず満点を取るまで繰り返し挑戦するよう提示した」とのことなので、すでにこのアイディアを実践していると判断できます。
「各プログラムのセクションでも、国家試験問題に絡めた復習テストをオンラインベースで増やしていくよう、同僚に働きかけていき、各セッションの実習がやりっ放しにならないよう変えていく」との記述から、試験に関係していることを意識させることを通し、学習者が学習内容を自分事と捉えた上で、学習内容の確認と定着ができる工夫になっていると思います。
一方で、学習量を調整する等、学習者に過度な負担をかけないような工夫も必要かもしれません。医学部生ですから大丈夫だとは思いますが、「難しすぎず、学習者が頑張れば達成できるレベル」に調整して各セッションでも実践できるように働きかけてください。
2「しゃべるのは1割まで」を「採用する」
「最初に学習目標を提示し、自学自習時間を設け、基本的にはお互い教え合ってどうしても解決しない点のみ質問するよう仕向けている」とのことなので、すでにこのアイディアを実践していると判断できます。「しゃべる時間が1割を切っている自信はない」とのことですが、このアイディアでは、教員が話すのは教科書に書いていないこと、つまり自分の経験や見解、学生へのフィードバックに限定することを勧めています。有吉さんの場合、主に学習者の質問に対するフィードバックを行うという趣旨に沿っているので、ぴったり1割かどうかの量にこだわる必要はないかと思います。
ただ、フィードバックを行う際、調べればわかるような答えを教えすぎず、学習者が主体的に問題を解決できるよう常に心掛ける必要があります。教えない実習の学習効率を部署内で理解してもらうのは困難かもしれませんが、学習者の様子や学習結果等を踏まえ、ご自身の授業について周囲と共有する場を重ねながら、地道に広めてもらえたらと思います。
3「大事なことは3回やる」を「採用する」
「画像解剖学の学習ツールは期間をあけて3回満点を取らせることで長期記憶への定着を狙っている」とのことなので、すでにこのアイディアを適切に実践していると判断できます。「そのほかの自己学習ツールも充実させたい」とのことなので、是非このアイディアを他の部分でも学習目標を意識しながら取り入れてほしいと思います。
4「一人でできることは授業ではやらない」を「採用する」
「画像解剖学の自己学習ツールはGoogleフォームを使って自学自習させている」とのことなので、すでにこのアイディアを適切に実践していると判断できます。また、ご自身が担当するセクション以外でも、このアイディアを導入するために、「予習させることを少しずつ当たり前にしていくため、事前課題を選ばせたうえで与える予定」とありますが、どのような事前課題を準備するか等、今後の計画について具体的に説明していただけたらと思います。
5「個人→グループ→個人」を「採用する」
「担当を分担し、自分で調べさせ、お互いに教え合うよう仕向けて」おり、「最後は各自で画像所見を確認し、オンラインテストの満点を確認することで知識を定着させている」とのことなので、すでにこのアイディアを適切に実践していると判断できます。
自分で調べさせるという個人ワークの機会を設け、その知識を相手に教えることで、相手だけではなく自分自身の知識定着にもつながる工夫がされています。また、このアイディアでは、最終的に学習者一人ひとりの活動や成果物等を評価する必要がありますが、この授業の場合、オンラインテスト満点取得がそれに該当すると考えます。
「私が担当するセクション以外でも導入していけないか働きかけていく必要がある」とのことなので、是非、実現していただきたいです。そのためにどのように働きかけていくか、具体的な提案を示していただけたらと思います。
6「パラレルセッション」を「採用する」
「担当を分担し、自分で調べさせ、お互いに教え合うよう仕向けている」とのことなので、このアイディアをすでに実践していると判断できます。
一斉授業とは違い、学習者同士が各自のペースで学習活動を進めており、どこを調べてくるのか役割分担もされていることから、時間を持て余す学習者を防ぎ、授業に積極的に関与し続けられる工夫がされていると思います。
「ペアでのディスカッションも導入してみる」とのことですが、何の目的で、どのような手段での導入を考えているのか、明らかにしていただけたらと思います。
7「ルーブリックの前にチェックリスト」を「採用する」
「今回は復習テストとして使ったものを次のグループの学生からは最初から提供する予定」とのことなので、このアイディアを導入する準備ができていると判断できます。
また「最終的には実習全体のチェックリスト、到達目標が具体的に示せるよう整備していく必要がある」、「研修医になって必要とされる最低レベルの疾患に絞り込み、リスト化する必要がある」とのことなので、チェックリストを通し、評価だけではなく学生に何を目指すべきかを伝える道具としてチェックリストが活用される計画だと思います。
部署内での協力が得られない場合、「私が少しずつ作っていく、もしくは学生さんと一緒に作る」との工夫は、学習者にとっても知識の定着に繋がるよい機会になると思います。ただ、どのくらいの期間を要するのか、実現可能なのか等、疑問が残りますので、やはり部署内での協力が得られるのが理想的ですね。