(参考)他人の著作物の引用

本節の目的
他人の著作物を無断で利用させてもらう「引用」の条件を習得することです。

「引用」を行うには

著作物に、無断転載を禁止する旨の記載はあってもなくても、他人の著作物はすべて無断で転載することはできません。

ただし、他人の著作物は、社会通念上その必要性が肯定され、かつその限度内である限り、無断で「引用」し、公表することができます。ただし、そのためには、次の条件を満たさなければなりません。

  1. 公表された著作物であること。(著作権法第 32 条)
  2. 報道、批評、研究その他の目的上正当な範囲内での利用であること。(著作権法第 32 条)
    「誹謗中傷のために使う」とか「趣味のWebページで好きな写真を使う」 というようなことは、引用とは認められません。
  3. 出所出典を特定できる程度に明示すること。(著作権法第 48 条)
    引用が、誰の何という著作物からの引用であるのか、あるいは、どのURIからの引用なのかなどを明示する必要があります。
  4. 引用する側の著作物と引用される側の著作物が、明瞭に区別されていること。
    文章であれば、かぎ括弧などを用い、はっきり区分けする必要があります。
  5. 引用する側と引用される側の間に主従の関係があり、かつ、引用される側が「従」であること。
    引用された部分は、あくまで従属的なものである必要があります。

(参考)引用に関する例題

自作のウェブページの中に、中日ドラゴンズの公式サイト(http://dragons.jp/ (註))の「2004 CHAMPION DRAGONS」 の優勝ロゴ(右図)を、出所出典を明示して無断で転載するにあたって、 次のうち明らかに正当な「引用」となり得るものはどれか、一つ選びなさい。また、その理由を答えなさい。


(註)2009年現在、上図のロゴは当該サイトに掲載されていない。

  • a.中日ドラゴンズのリーグ優勝を祝うことをテーマとするWebページの中に転載して利用した。
  • b.中日ドラゴンズの20年間の歩みを解説することをテーマとするWebページの中に転載して利用した。
  • c.落合博満監督の戦歴について解説することをテーマとするWebページの中に転載して利用した。
  • d.プロスポーツチームの優勝ロゴは、それが野球の優勝なのかサッカーの優勝なのかを明確に表現すべきであるというテーマについて論評するWebページの中に転載して利用した。
 

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最終更新日時: 2016年 02月 25日(木曜日) 11:50