本節の目的
演習問題を解くことで、スプレッドシートの使い方を自分のものにする。
演習
ここをクリックして練習用 calc ファイル (sample.ods)をダウンロードし、「学生番号.ods」というファイル名に変更しなさい。その後、「出欠テスト」シートを完成させ、上書き保存しなさい。この演習には、最終的な表示結果だけが示されるだけで解答がついていないので、自分で式を考えて行いなさい。決して、文字や数値を直接書きこんではいけません!)
「出欠テスト」シートには、あるクラスの日々の出欠(6回分)と、3回のテストの結果が入力されています。出席は「1」で、欠席は「0」で表わされています。また、テストは100点満点です。
合否や追加点は以下のような条件になっています。
- 全講義回数の2/3を出席合格基準とし、出席回数がそれ未満の場合は合格できない。
- 試験は、全回90点以上取れないと合格できない。(満点は100点、合格点は90点)
- 出席回数が出席合格基準よりも多い場合は、以下の式で加点を与える。
講義回数をN回、出席合格基準をM回、出席回数をL回として、加点は次式で表わす。
10 * (L - M) / (N - M) [追加点の最高は、10点]
出欠の列(カラム)については、以下を式で入力して下さい。
回 数 | 出席回数(countif関数を利用) |
---|---|
合 否 | 上記の出席回数の条件による合否。合格であれば「合格」、そうでなければ「落第」を表示。(if関数を利用) |
加 点 | 上記の条件に示す式による点数 |
講義回数 | 全講義回数(count関数を利用) |
出席合格基準 | 全講義回数の2/3回(出席に関する合格ライン) |
できるだけ「講義回数」及び「出席合格基準」のセルを参照すること。
試験の列(カラム)については、以下を式で入力して下さい。
Aok | 試験Aが合格かどうか。合格なら「1」、そうでなければ「0」を表示。(if関数を利用) |
---|---|
Bok、Cok | 「Aok」と同様。 |
合格回数 | 3回の試験のうち何回合格点に達したか。(countifを利用) |
合 否 | 上記の試験合格条件による合否。合格であれば「合格」、そうでなければ「落第」を表示。(if関数を利用) |
試験回数 | 全試験回数(count関数を利用) |
できるだけ「試験回数」及び「合格点」のセルを参照すること。
成績の列(カラム)については、以下を式で入力して下さい。
評 価 |
点数または評定。以下のようにしてください。
|
---|
これらを式で入力した結果は下図のようになります。
論理演算"AND"の利用方法
条件が一つではなく複数ある場合、それらの条件の組み合わせにはいろいろあります。
以下の2つの例を見比べて下さい。
- 雨が降って、かつ、寒いならば、レインコートを着る。
- 雨が降るか、もしくは、寒いならば、レインコートを着る。
「雨が降る」ことと「寒い」ことの2つが条件が元になっていますが、前者は、それらが「どちらとも満たされている(成り立っている)」という組み合わせが最終的な条件になっていますし、後者は、それらが「どちらか一方が満たされている(成り立っている)」という組み合わせが最終的な条件になっています。
前者のように「かつ」で表わされる条件の組み合わせを、一般に「AND(演算)」と呼び、後者のように「もしくは」で表わされる条件の組み合わせを、一般に「OR(演算)」と呼びます。
これらのANDとかORは、既に学習しました。覚えていますか?
もし、学習した内容を思い出せない人は、「論理演算の基礎」をクリックして、復習して下さい。
OpenOffice.org Calcでは、それらの演算も関数として定義されています。
例えば、「セルA1が"雨"で、かつ、セルB1が"寒い"」という条件は、以下のように書きます。
AND(A1="雨";A2="寒い")
同様に、「セルA1が"雨"か、もしくは、セルB1が"寒い"」という条件は、以下のように書きます。
OR(A1="雨";A2="寒い")
それでは、「セルA1が"雨"で、かつ、セルB1が"寒い"ければ、"レインコート"を表示し、そうでなければ、"とくに無し"と表示する」ときは、どうすれば良いでしょうか?これは、IF関数とAND関数を組み合わせることで、以下のようにして実現できますね。
=IF(AND(A1="雨";A2="寒い");"レインコート";"とくに無し")
先頭の「=」は、計算式を表わす記号でしたね。
AND関数やOR関数を単独で利用するときにも、同様に先頭に「=」が必要です(例: =AND(A1="雨";A2="寒い"))。ただし、この場合、条件が成り立っていれば「TRUE」が、成り立っていなければ「FALSE」が表示されます。
演習
上記演習において作成した「学生番号.ods」を、解答例「(参考)スプレッドシート演習の解答例」を参考にして、自己採点を行いなさい。