基盤的情報処理論

「a.」、「b.」、「c.」 は無断で引用を行うことができる条件のうち 「4．引用する側の著作物と引用される側の著作物が、 明瞭に区別されていること。」 に抵触する可能性があります。

中日優勝のロゴ画像は、そのリーグ優勝を祝う内容や、 その歩みを解説する内容及びその監督の戦歴について解説する内容に対して、 現在の社会通念上明瞭に区別されず、 たとえごく一部に用いられたとしてもテーマの主たる部分をなす可能性が高いので、 違法（著作権侵害）となる恐れがあります。 よって、「a.」、「b.」、「c.」 は「灰色」です。 （違法と断定できる訳ではありません。）

一方、「d.」のように、単にロゴの表現方法を論じるテーマの中では、 同じロゴ画像であっても、一つの例でしかないため、 主たるテーマとは「明瞭に区別」され、「従」として利用されますので、 無断で利用しても正当な引用となります。 よって、「d.」は、「白」（適法）です。

「灰色」である場合に、相手（著作権を侵害された可能性のある側） が著作権侵害訴訟を提起するとは限りません。 「黒」（違法）であると断定できないまま他人を告訴することは、 現実には割に合いません。特に、結果的に「白」（適法）であった場合には、 告訴したことによって逆に「信用毀損の罪」（刑法第233 条、最高懲役 3 年）、 「嘘告の罪」（刑法 172 条、最高懲役 10 年）等に問われる恐れがあります。

しかし、インターネット社会には、訴訟社会である米国等も含まれ、訴訟に関して様々な思想を有する人々が閲覧します。したがって、「灰色」である場合には利用しない方がよいのです。

このように、「引用」にはデリケートな部分がありますので注意しましょう。