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6-1 知的財産権と著作権

 現実の社会同様に、ネットワーク社会においても著作権をはじめとする知的財産権は保護されています。インターネットの普及により、誰もが手軽に情報を発信できるようになり、知的財産権についてより一層の注意が求められるようになりました。

1.知的財産権

 知的財産権とは、知的な創作物の経済的な価値を保護する権利のことで、知的所有権ともいわれます。この知的財産権は、大きく分けると著作権と産業財産権から構成されます。

2.著作権

 著作者の権利(著作権)は、著作物を創作した時点で自動的に発生します。 著作者の権利には、著作者人格権と、著作権(財産権)があります。

 著作権(財産権)とは、著作物に対する著作権者だけが持つ独占的な権利で、日本では、著作物創作の時点から原則として著作者の死去の翌年から50年を経過するまでの間、存続します(映画は公表後70年間)。雑誌社や新聞社などの団体名義の著作物である雑誌や新聞などは、公表から50年間が保護の対象になります。また二次的著作物(著作物の翻訳や編曲)にも一定の範囲で著作権が及びます。

 著作権法で定められている主な事項を以下にあげます(かっこ内は著作権法の条数)。

●著作者の死去の翌年から50年間保護されるもの(第10条~第12条の2、第51条)
言語の著作物論文、小説、脚本、詩歌、俳句、講演など
音楽の著作物楽曲および、楽曲を伴う歌詞
舞踊、無言劇の著作物日本舞踊、バレエ、ダンス、パントマイムなど
美術や建築の著作物絵画、版画、彫刻、まんが、芸術的な建造物など
地図、図形の著作物地図または、学術的な性質を有する図画、図表、模型など
写真の著作物写真、グラビアなど
プログラムの著作物コンピュータプログラム
二次的著作物著作物(原著作物)を翻訳、編曲、変形、翻案し作成したもの
編集著作物百科事典、辞書、詩集などの編集物
データベースの著作物データベース

●公表から70年間保護されるもの(第54条)
映画の著作物劇場用映画、テレビ映画、映画DVD、ビデオゲームなど

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