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6-5 不正アクセス禁止法
1.不正アクセス禁止法とは

 「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(以下、「不正アクセス禁止法」と略す)が、2000年2月から施行されました。この法律は、急増するハイテク犯罪の防止と高度情報通信社会の健全な発展を目的としたものです。

2.不正アクセス禁止法の一部改正

  2012年3月、不正アクセス禁止法の改正案が可決されました。不正アクセスそのもののほかに、フィッシングなど不正アクセスの原因となる「他人のパスワードを不正に取得・保管する行為」が禁止されました。 また、不正アクセスの罰則が見直されました。

■パスワードの不正取得・保管の禁止

 以下に示す行為が禁止されました。いずれも「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」となります。

■不正アクセス行為の罰則強化

 「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」から「3年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と引き上げられました。
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3.不正アクセス禁止法の概要

 不正アクセス禁止法で定められている原則と違反例を覚えておきましょう。

条数内容違反行為例
第3条 「不正アクセス行為」を全面的に禁止する。

不正アクセスとは次のような行為です。
  • 他人の識別符号を無断で入力する行為
  • アクセス制限機能を免れる情報、指令を無断で入力する行為
第4条 他人の識別符号を不正に取得する行為の禁止。
  • タイピングの盗み見
  • ゴミあさり
  • 管理者を装ってパスワードを聞き出す
    フィッシングによるものも含む
5 不正アクセスを助長する行為を禁止する。
  • 他人のIDやパスワードなどを公開したり、無断で第三者に教えたりする。
第6条 他人の識別符号を不正に保管する行為の禁止。  
第7条 識別符号の入力を不正に要求する行為の禁止。
  • 偽装サイトを作成して閲覧可能な状態にする。
  • 偽装サイトに誘導するメールを送信する。
8 サーバ管理者は、不正アクセス行為に対する防御措置を行う義務を負う。  
9 不正アクセスを受けたサーバの管理者は、究明のため、都道府県公安委員会に援助を求めることができる。  
11 不正アクセスをした者には、3年以下の懲役または100万円以下の罰金を科される。  
第12条 フィッシング行為、パスワードの不正取得・保管をした者には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金を科される。  
13 不正アクセスを助長する行為をした者には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される。  
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