本節の目的
Webページを作成する方法の概略とその手順を理解する。
Webページ作成の概略
前章のWWWの仕組みで説明しましたように、我々が見ている「Webページ」は、「Webサーバ上にある各種ファイル(リソース)を、ネットワークを介して我々の利用しているPC(クライアント)に取り込み、WebブラウザでHTMLで指示された書式に従ってレイアウトされたもの」ということになります。
WWWの仕組みがわかったところで、「Webページの作成」とは、何を行うことなのかを考えてみましょう。
大まかには、以下のことを行うことになります。
- Webページに必要なHTMLファイルや、画像などのデータファイルをPC上で作成する
- 完成した各種ファイルをWebサーバの決められたフォルダに格納する
ところで、上記ではあまりにも大まかすぎて具体的に何をすれば良いのか分りませんね。そこで、もう少し具体的な作業内容を以下に示します。
- Webページにする文書をHTMLファイルとして作成する。
その際には、文章の中味だけでなく、以下のことに「指示」を行う必要があります。「指示」は、HTML言語で決められた「タグ」を用いて行うことになります。- 見出しをつけたりパラグラフ(文節)に分けるなど、文の構成を明確にする指示を行う
- 必要があれば、箇条書きや表組みをする指示を行う
- 必要な静止画や動画など文字以外のデータを取りこむ(表示する)指示を行う
- 必要があれば、他のWebページやインターネット上の各種データへのハイパーリンクを張る指示を行う
- 上記HTMLファイルに取りこむ(そのページ内に表示する)静止画や動画等のデータを作成する。
- 文字の大きさや色、背景色、また余白や画像の大きさなど、Webページの見栄えの設定・改善をおこなう。
- 必要があれば、作成したWebページを閲覧して下さる方のマウス操作等で、Webページが変化するようなプログラムをHTMLファイルに付加する。
- 完成したHTMLファイルや各種データファイルを、Webサーバの決められたフォルダに格納する(ネットワーク経由で送る)。
検索エンジンのように、ユーザの入力したキーワードにより必要な情報(ページ)を表示したり、SOSEKIのように、ユーザが入力した情報をデータベースに登録したりするWebページは、Webページの作成方法が、上で説明したものとは異ります。このような「Webページを作成する」ためには、Webサーバ上で必要な処理(例えば、Webページを検索するというような処理)を行うプログラムや、HTMLファイルを自動作成するプログラムを作成する必要があります。そして、これらのプログラムがWebサーバ上で動いて、そのプログラムがHTML文書を自動作成します。