テキスト

画面遷移図を書く

画面遷移図の参考として講師(北村)が鈴木先生、根本先生とともに登板した「e-Learning Canferance 2006 Winter」の研修資料として配付したものを再掲します。これはイングリッシュタウン(http://www.englishtown.co.jp/)という英語学習のeラーニングを分析したものです。なお、この研修では画面を実際に受講者に見せてプレゼンしたため、画面イメージは書き込まれていません(画面イメージは別添した、とお考えください)。

 eLF2005_session3_sen.pdf(PDF:117KB)


リッチピクチャーにも挑戦!

同じ研修で配布した別の図もお見せします。同じイングリッシュタウンの分析をしたものです。

eLF2005_session3_rp.pdf(PDF:107KB)

これは、学習者の様々な要望・欲求に対し、イングリッシュタウンにおいてどのような学習支援がどのような形で提供されるかを分析したものです。

このような図をリッチピクチャーと言います。リッチピクチャーはある人とそれを取り巻く様々な人・モノ・コトと関係性を表現した図で、前述したSSM(ソフト・システムズ方法論)のツールのひとつです。

リッチピクチャーの書き方は基本的に自由ですが、最低限「構造」「機能」「雰囲気」の3要素を盛り込む必要があります。
構造は、その件(プロジェクト、仕組みなど)に登場する人物、組織、主要なイベント(出来事)などです。この構造がリッチピクチャーの骨格になります。
機能は、構造の個々の要素がどんな関係をもっているかということです。「指示」「要望」「依頼」といった機能を示す言葉を図の中に書き添えていきます。
雰囲気とは状況の様子そのものです。良好なのか、険悪なのか・・・といったことを、イラストや吹き出しで表現してみます

リッチピクチャーの書き方はおおむね次の通りです。

  1. 中心となる人を書く(eラーニングであれば学習者や学習管理者であることが多いでしょう)
  2. その人に関係する人・モノ・コトを手当たりしだい書く
  3. 場合によってはそれらを並べ直し、グループ化する(KJ法のように)
  4. 線でつなぎ、それを矢印にする
  5. 線や矢印に吹き出し等で、その矢印に関わる思惑などを書いていく


講師(北村)が感じているコツは

  • 書き直しをいとわない(そのためにポストイットなどで構想したり、PowerPointなどで書いたりします)
  • 矢印の方向に気を遣う(矢印の方向で関係性の伝わり方ががらりと変わってしまうため)
  • 吹き出しを使って、それぞれの人(特に中心となる人)の思惑を書く

最後の「思惑を書く吹き出し」はかなり重要です。それぞれの関係性が図として明らかになるだけでなく、思惑を考える中で取り巻く人・モノ・コトの意味が明らかになったり、思惑に対して不足しているものに気づいたりします。

サンプルケースにはリッチピクチャーがついていませんが、皆さんの提案の中ではぜひリッチピクチャーにもチャレンジしてみてください。

サンプルケースについて

以下のファイルは、サンプルケースについての画面遷移図です。

 第11回 画面遷移図(PDF:120KB)

また、サンプルケースとは関連していないのですが、リッチピクチャーの例(見本)を以下に示します。

 第11回 リッチピクチャー(PowerPoint:126KB)

 リッチピクチャーについて は、ケースから読み取れる現状と、それをどのように変えるかという提案のコンセプトの2枚で構成しました。両方のリッチピクチャーの構造(登場人物や組 織)の配置を同一にすることで、提案前後の相違をできるだけ明らかにするよう工夫してみました。皆さんの提案の中でもぜひリッチピクチャーにもチャレンジ してみてください。


<参考文献>
参考文献:妹尾堅一郎(2003)「仕事の図化」で頭のモヤモヤを解消する(プレジデント 2003.11.17号)プレジデント社.p.82-83

なお、いずれも「見本」であって「手本」ではありませんので、記述されている内容については批判的な視点で見てください。

最終更新日時: 2021年 11月 5日(金曜日) 15:49