第13回研究総論タスク、よろしくお願い申し上げます。
T
(ユーザ 管理 により編集 - 最初の投稿日時 2015年 07月 26日(日曜日) 21:23)
Tさん
こんにちは。早いですね。
気になったところを以下に書いておきます。
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資源アプローチは、企業が多角化をおこなうにあたって組織内リソースをベースに考えることが多いとうこともありますが、むしろ競争戦略、事業戦略から出てきた概念ですよね。多角化は成長戦略、企業戦略のカテゴリーです。
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すいません。Tさんの主張の意味を捉えきれません。資源アプローチは競争戦略における優位性獲得の話であるのに対して、価値分化はイノベーション生成のプロセスを論じているので、比較検討することは難しいと思います。組織には色々な資源があって、そのうちどの資源を活用して特定の事業分野で競争優位に立つかという問題と、製品には幾つかの潜在的な顧客価値が内包されており、そのうち特定の価値を分化・発展させようという製品コンセプトの構築の問題は、次元が異なるように感じます。
3-1
楠木の主張は以下のようなものだと思います。
Know-Why、つまり従来型の性能スペックを上げるような「研究による学習」がモジュラー・イノベーションを生みやすいこと。
製品を機能の統合体のように捉え機能間のつながりなどを対象にKnowーHowを獲得する「経験による学習」が、アーキテクチュアル・イノベーションを生みやすい。
上記、ふたつのイノベーションを飛び越えたアプローチが、機能分化によりコンセプト、つまりKnow-Whatを刷新する話で、これが価値分化の話ですよね。
IBMが論じているイノベーションは、イノベーションを生成するための組織敵要件を述べており、上記3つのイノベーションにすべて、特にKnow-HowとKnow-Whatを起こすことを重視していると思います。
3-2
評価項目についての具体的な説明がないので、コメントが難しいです。楠木が論じている価値分化を生み出すための環境条件とも言えるリーダーシップは、制約共存状況の創出・維持・強化ということですよね。
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制約共存というのは、イノベーションの主体となる組織におけることであるので、それを組織と外部との関係にまで拡大解釈するのは、少し無理がある気がします。
社会的課題がこれまでビジネスの対象になっていなかったのは「儲からない」からでしょうから、マーケティングやビジネス・モデルの面では通常のマネジリアル・マーケティングに比べて難易度は高いと思います。その難易度を克服するのは、起業家自体の知識やスキルであるのに加え、外部のステークホルダーであることは間違いないと思います。
ただし、外部のステークホルダーとの関連を制約共存で説明するのは難しい気がします。
なお、レポートの全体的な印象としては、読み手にとって説明不足で分かりにくいものが多いように感じます。例えば、ソーシャル・イノベーションのことが出ていますが、そもそもなぜソーシャル・イノベーションを持ち出すのかが説明されていません。読み手は戸惑ってしまします。
それと、調査についてですが、何をどう調査したか(調査概要)について記述して欲しいと思います。文献調査であっても、それなりのフレームワークとでもいうべきことを示して欲しいです。
というようなことで、採点は3点にさせてください。
もし、もっとよい点をということであれば、修正して再提出して頂ければ、再度採点します。
江川先生
ご指導ありがとうございます。私が学んだ欧米式の古典的なトレードオフ型で理論が止まり(1992)、その後、実務の日々で経営企画室、関連事業部などを担当してきました。そのため、関連が大いにあるのだけれど次元が違うものを比較検討したり、IBMレポートのような実践で使用されているものに目が向いてしまいがちでした。
教育工学もそうですが事業戦略およびイノベーションについて理論体系から学ぶ必要性を感じました。また、江川先生指摘通り、(eラーニングに慣れておらず)説明不足な点は鈴木先生からも指摘されていますので毎回コメントを読み、伝わり具合を内省しながら進めて参ります。