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「コンピテンシーに関する7つのQ&A」

「コンピテンシーに関する7つのQ&A」

- anonlastname29 anonfirstname29 の投稿
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Q1.コンピタンスと能力・スキルの違いは何か?

A1.コンピタンスとは、古典的には、「環境と効果的に相互作用する有機体の能力」とされる。つまり、周囲との関係から独立した「できること」ではなく、環境との関係性の中で、自己がマスター、コントロールできるという感覚とともに発動される能力である。なお、能力・スキルは、環境と切り離されて、「できる」「できない」を判断するものである。

Q2.コンピテンシーのモデル化において取られるアプローチにはどのようなものがあるか?

A2.コンピテンシーの定義が多様であるため、その提案も多様である。しかしながら、それらは2つのアプローチに分類される。伝統的「職務分析」の手法を援用するものと、行動に力点を置くアプローチだ。共通点は、仕事を見ることと行動を見ることを必要とすることである。そのほか、「リサーチベース」「戦略ベース」「価値ベース」で分類することもできるが、それぞれ、メリット・デメリットがあるため、目的にあった方法を選ぶことが重要である。

Q3.コンピテンシー導入に当たって注意すべきことは何か?

A3.流行のように形だけ取り入れ、表面的な理解でモデルを独り歩きさせないようにすること。人事アウトソーシングを行い、自分で考えるのをやめ、外部に丸投げすることを避けること。

Q4.コンピテンシー概念を日本に導入するメリットは何か?

A4.そもそも、米国流の概念であり、また、分野、文脈によって、その意味するところも異なるため、無批判的に取り入れることには、メリットは感じられにくい。しかしながら、日本には、潜在能力を重視し、かつ、顕在能力を隠すべしという、旧来からの能力観がある。こうした風潮へのアンチテーゼとして活用し、新しい能力観の形成へと役立てることにメリットがあると考えられる。
 

Q5.コンピテンシー理論を日本の文脈に置く際、有意義と思われる理論は何か?

A5.コンピテンシー・ラーニング理論。コンピテンシーが学習され、育成される能力であると考える点が、日本の風土になじむ。具体的には、「経験による学習」「モデリングによる学習」「概念化による学習」を経るというもので、最終的には、個別の経験を、帰納化し、演繹化し、概念化させることを目指す。これらから導かれるものは、暗黙知の形式知化や、個人のレベルにあった教育や学習の必要性など、人材育成面での示唆に富む。

Q6.コンピテンシー・ラーニングのキーポイントは何か?

A6.モチベーション。とりわけ、達成動機。達成動機とは、より高いレベルの目標や基準に挑戦し、自分独自のやり方で、それを達成したいというモチベーションのことである。そのため、達成動機が低い者への働きかけは、難しいものとなる。

Q7.コンピテンシーの学習で得られるものは何か?

A7.有能感の経験。行動が成果に結び付き、「やればできる」「自分はできる」という確信を持つこと。成果につながる行動を、プロセスを楽しみながらできること。これは、内発的動機づけとなり、自己実現へとつながることから、理想的であると考えられ、この点から、コンピテンシー学習を取り入れることにより、企業の競争力向上に寄与することが予想される。

Q&A集に関する補足説明

OJT前に「新人に手渡す」という視点から考え、本Q&Aは、実際の実務で心に留めておくべき点として記載した。つまり、厳密な定義を歴史的に列挙することを極力控え、現在の日本の企業で、コンピテンシー概念を扱うにあたって、心に留めておくべき注意事項として優先順位等を決めている。歴史的な面、定義的な面については、現状の流行に流され、本筋を見失わないためという観点から記述した。

anonlastname29 anonfirstname29 への返信

Re: 「コンピテンシーに関する7つのQ&A」

- anonlastname15 anonfirstname15 の投稿

Sさん、

「コンピテンシーに関する7つのQ&A」、拝読しました。

よくまとまったQ&A集だと思います。

引き続き、よろしくお願いいたします。

N


anonlastname29 anonfirstname29 への返信

Re: 「コンピテンシーに関する7つのQ&A」

- anonlastname35 anonfirstname35 の投稿

Sさん

Q&A拝見いたしました。Q4については、指定図書を読みながら納得した点でもあり、日本で導入する意義があるものなんだと考えていたところです。現在コンピテンシーという言葉は浸透しつつあるようですが、残念ながら私が勤務する環境では浸透していないのです。Sさんの作成したQ&Aは、人材育成部門に配属された新人だけでなく、わたしが所属する組織の人事課の方にも是非読んでいただきたい、と感想です。

Aがわかりやすくまとめられていて勉強になりました。