企業内教育を題材にして論文に仕上げるもう一つの有力な方法として、ある実践がどのような効果を上げたのかについて調査をする研究がある。ただやっただけでは論文になりにくいとしても、それが素晴らしい効果を上げた、ということを確かめ、だからこういうやり方が効果的なんだ、と主張する。実はこの手の論文はあまりないので、「こういうやり方で調査をするのが良いのではないか」という調査研究の方法を実際に使ってみた、という点にも新しさが出せる可能性もある。
というわけで、第3回は、「ID専門家養成のためのブレンド型eラーニングの実践」というタイトルで実践論文として採録された研究を見てみよう。何が新しいのか、何が評価されたのか、この論文で言いたいことは何か。また、この論文の手法を他の実践に生かすとしたとき、何が応用可能か。この論文を更に発展させるとしたら何ができるだろうか。
指定論文
- 鈴木克明・根本淳子・市川尚・三石大・波多野和彦・小松秀圀(2006)
「ID専門家養成のためのブレンド型eラーニングの実践」『教育システム情報学会誌』23(2)、59-70 (未定稿へのリンク)
http://www.gsis.kumamoto-u.ac.jp/ksuzuki/resume/journals/2006a.pdf