前ページで述べた学習のねらいを踏まえた上で、課題図書『組織行動の考え方』(金井 寿宏・高橋 潔著,東洋経済新報社 2004年)の第2章を読み進め、以下の1)〜3)を行ってください。
なお、今回の課題図書もいわゆる新書です。この点については、【第2回】と同様、受講者が自分自身の知識レベルを確認するためのテキストとしては、金井・高橋(2004)が相応しいと判断しました。
受講者の多くは、コンピテンシーに関する何らかの知識をすでにもっていると思われますが、今回の学習のねらいが、自分自身の知識を洗い直し、自分の理解が正確であったかどうかを確認することにある点を理解した上で、学習に取り組んでください。
学習の内容と進め方
1) 基礎知識の確認 (学習内容 A・B に対応)
今回の学習にあたって設定される“問い”は以下になります。
この問いに答えるために、まず、コンピテンシーの基礎概念をレビューすることを念頭におき、金井・高橋(2004)を通読してください。そして、この分野を構成する基本知識について、
- 背景
- 意味と意義
- 実践方法
- 問題点
という4つの視点から整理してください。これが、コンピテンシーに関する自分自身の知識を洗い直すための基礎作業となります。
続けて、4つの視点から整理した内容と、従来から自分がもっている知識とを照らし合わせてください。そして、コンピテンシーという概念について従来自分が理解していた内容が正確なものであったどうかを確認してください。
2) 基本概念の正確な理解 (学習内容 C に対応)
金井・高橋(2004)をもとにした知識の洗い直しの結果、「自分が誤解していた部分」「自分の理解が不足していた部分」が把握できたら、改めて金井・高橋(2004)の該当箇所を精読し、コンピテンシーという概念の正確な理解に取り組んでください。
3) 人材育成との関係性の整理 (学習内容 D・E に対応)
コンピテンシーという概念に関する自分自身の知識を洗い直したら、金井・高橋(2004)の内容をもとにして:
を作成してください。これが【タスク3】となります。
まず、コンピテンシーという概念が人材育成とどのようにかかわっているのかを検討し、そこから意味ある質問を7つ選び出してください。もちろん、何が意味ある7つの質問なのかについて、絶対唯一の“正解”が存在する訳ではありません。ここでは、正確な知識をもとにしながらも、創造的に考えることにチャレンジしてください。絶対唯一の正解はないことを認識しながらも、敢えて「7つの質問」を選び出すことで、コンピテンシーという概念と人材育成という実践活動の関係について理解を深めることができます。
さらに、7つの質問に対する解答を作成してください。ここでは、課題図書を参考にしながらも、できる限り自分の言葉で表現してみることが大切です。金井・高橋(2004)に書かれた内容を抜粋するだけでなく、その意味を積極的に“翻訳”しようとすることによって、コンピテンシーという概念を正確に理解できたかどうかが確認できます。
なお、進め方についての詳細は、次の章の「タスク3について」を参照してください。