学習の内容と進め方

 前ページで述べた学習のねらいを踏まえた上で、課題図書を読み進め、以下の1)・2)を行ってください。

 今回の課題図書である『企業内人材育成入門:人を育てる心理・教育学の基本理論を学ぶ』は、実務家(特に、人材育成担当者)を対象として、企業における人材育成を考える上で必要な心理・教育学の理論について説明しています。本書中、「2章 学習モデル」では、経験学習モデル・批判的学習モデル・正統的周辺参加モデルに、学習転移モデルを加えた4つを、経営分野における代表的な学習モデルとして紹介しています。

 今回の学習テーマとして挙げている“クリティカル・アプローチ”とは、批判的学習モデルのベースとなっている考え方です。ただし、批判的学習モデルの特徴を理解するためには、経験学習モデルや正統的周辺参加モデルとの違いを十分に認識する必要があります。そこで、学習を進めるに当たっては、経験学習モデル・批判的学習モデル・正統的周辺参加モデルの3つを比較しながら理解するという姿勢で取り組んでほしいと考えます。

 また、学習転移モデルは、“実践を通じた学習”を志向したものではありませんが、今日の企業内研修において中心的(支配的)な考え方を含んでいます。今回の学習の中心は、経験学習モデル・批判的学習モデル・正統的周辺参加モデルにありますが、学習転移モデルと対比することで、その内容を深く理解することができると思われます。

1) 経営分野の人材育成において活用されている代表的な3つの学習モデルを理解する (学習内容 A に対応

 まず、課題図書を精読し、経験学習モデル・批判的学習モデル・正統的周辺参加モデルについて、その理論的背景・目指している方向性の違いを整理してください。

2) “実践を通じた学習”の可能性と課題を探る (学習内容 B に対応

 経験学習モデル・批判的学習モデル・正統的周辺参加モデルについての理解、さらには、これまで3ブロック【第6回〜第9回】で学習した内容を踏まえ、“実践を通じた学習”の可能性と課題について自由に論じてください。これが【タスク10】になります。

 なお、【タスク10】の進め方についての詳細は、次の章を参照してください。

最終更新日時: 2022年 03月 25日(金曜日) 16:37